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アウディQ2は壊れやすい?故障率が高い部位と対策を解説!

    アウディQ2は、コンパクトなボディにスポーティな走りを備えた人気のSUVです。

    しかし、一方で「壊れやすい」という評判も耳にします。

    果たして、その故障率は本当に高いのでしょうか?

    燃費維持費車検費用はどれくらいかかるのでしょうか。

    この記事では、アウディQ2の信頼性について、オーナーの口コミ評判を交えつつ、詳しく解説します。

    売れ行きの低迷や、廃止の可能性についても触れつつ、何年乗れるのか、その耐久性を見極めていきます。

    また、ライバル車との比較を通じて、中古車の相場買うならどのグレードがおすすめなのかも考察。

    アウディQ2を購入して後悔しないために、ぜひ参考にしてみてください。

    この記事のポイントは以下の4つです
    • アウディQ2の故障率と壊れやすい部位について詳しく解説
    • アウディQ2の燃費や維持費、車検費用などのランニングコストの目安
    • アウディQ2の売れ行き、廃止の可能性、何年乗れるのかなどの疑問に回答
    • ライバル車との比較や中古車の相場、購入後の後悔しないための選び方のポイント
    目次

    アウディQ2は壊れやすい?徹底調査で分かった真実

    出展元:アウディジャパン

    アウディQ2は2017年に登場したコンパクトSUVで、スタイリッシュなデザインと優れた走行性能が魅力の一台です。

    発売から6年が経過し、中古車市場でも存在感を増しつつあるQ2ですが、一方で「壊れやすい」というネガティブな評判も聞こえてきます。

    果たして、アウディQ2は本当に故障が多いのでしょうか?

    今回は、Q2オーナーの口コミや各種データを基に、その信頼性を徹底的に検証していきます。

    アウディQ2のカタログスペック

    グレード名35 TFSI Advanced35 TDI advanced35 TFSI S line35 TDI S lineTFSI Black Style PLUSTDI Black Style PLUS
    新車価格417万円423万円454万円460万円520万円526万円
    発売日2023年4月1日2023年4月1日2023年4月1日2023年4月1日2023年7月5日2023年7月5日
    駆動方式FFFFFFFFFFFF
    燃料ハイオクディーゼルハイオクディーゼルハイオクディーゼル
    排気量1,497 cc1,968 cc1,497 cc1,968 cc1,497 cc1,968 cc
    トランスミッション7DCT7DCT7DCT7DCT7DCT7DCT
    乗車定員5 名5 名5 名5 名5 名5 名
    燃費(WLTCモード)15.8 km/L17.8 km/L15.8 km/L17.8 km/L15.8 km/L17.8 km/L
    燃費(JC08モード)17.0 km/L18.9 km/L17.0 km/L18.9 km/L17.0 km/L18.9 km/L
    最高出力 (kW[PS]/rpm)110[150]/5000110[150]/3500110[150]/5000110[150]/3500110[150]/5000110[150]/3500
    最高トルク (N・m[kgf・m]/rpm)250[25.5]/1500340[34.7]/1750250[25.5]/1500340[34.7]/1750250[25.5]/1500340[34.7]/1750
    全長4,200 mm4,200 mm4,205 mm4,205 mm4,200 mm4,200 mm
    全幅1,795 mm1,795 mm1,795 mm1,795 mm1,795 mm1,795 mm
    全高1,530 mm1,530 mm1,520 mm1,520 mm1,530 mm1,530 mm
    車両重量1,340 kg1,450 kg1,340 kg1,450 kg1,340 kg1,450 kg
    前輪サイズ215/55R17215/55R17215/55R17215/55R17215/50R18215/50R18
    後輪サイズ215/55R17215/55R17215/55R17215/55R17215/50R18215/50R18

    Q2の故障率はどの程度?信頼性を検証

    アウディQ2の故障率を調べるため、まずはJ.D.パワーが実施している自動車初期品質調査の結果を見てみましょう。

    この調査は、新車購入後90日間に発生した不具合の件数を集計したもので、車両の品質を比較する上で重要な指標となります。

    2018年の日本市場における調査では、アウディブランド全体の不具合指摘件数が127件と、主要15ブランド中で最下位という残念な結果に。

    この背景には、先進技術を積極的に導入する一方で、使い勝手の悪さや作動不良などの問題が相次いだことが挙げられます。

    ただし、この数字はアウディ全モデルの平均値であり、Q2だけの故障率を表したものではありません

    実際にQ2オーナーの声を集めたところ、エアコンやパワーウィンドウの故障を指摘する口コミが複数見られました。

    ただ総じて「大きなトラブルは特にない」という評価が多く、中にはメーター表示の不具合など、そこまで深刻とは言えない不満もあるようです。

    J.D.パワーのデータと比較すると、Q2の故障率はアウディ車の中では比較的低いのではないかと推察されます。

    とはいえ、ドイツ車は日本の過酷な気候や道路事情に必ずしも適していないと指摘する専門家もいます。

    過去には、湿度の高さからエアコンの故障が頻発したり、ターボの不具合で発進時にもたつく事例も報告されています。

    Q2に限らずアウディ車全般について、定期的なメンテナンスを欠かさずに行うことが肝要と言えるでしょう。

    ここまでをまとめると、アウディQ2の故障率は決して低くはないものの、ブランド平均と比べれば良好と見られます。

    ただしサンプル数が少ないため断定は避けたいところ。

    壊れやすいかどうかは、個々の車両の状態や使用環境によっても大きく左右されると考えられます。

    【口コミ調査】Q2オーナーの評判と満足度

    それでは次に、実際にQ2に乗っているオーナーたちの評判はどうなのでしょうか。

    TwitterやInstagramなどSNS上の口コミをいくつかピックアップしてみました。

    「アウディQ2を1年半乗ってますが、今のところ壊れたことは一度もなし

    アイドリングストップの違和感にはちょっと悩まされたけど、慣れれば気にならなくなりました。

    小回りの利く運転のしやすさは気に入ってます」(30代男性)

    「狭い道が多い都内での使用が主なので、コンパクトなボディは正解でした

    駐車場探しのストレスがだいぶ減りました。ただハンドルが固めでクセがあるので、女性だと疲れやすいかも。

    あと一時期エアコンの調子が悪かったけど、その後は問題なしです」(20代女性)

    1.0Lモデルに乗って2万キロ超えましたが、特に目立った不具合はなし。

    この燃費とパワーのバランスはなかなか他に類を見ないと思います。強いて言えばタイヤの減りが早いくらいかな。

    維持費は思ったよりかかってない印象」(40代男性)

    「ディーラーの認定中古車で2018年式のQ2を購入。1年半で1万キロ乗ったけど不満は特になし。

    シートのホールド性がもう少しよければパーフェクトなんだけどね。

    ABSランプが点いたことが1回だけあったけど、すぐ消えたからたまたまかな」(50代男性)

    アウディQ2に乗って1〜3年ほど経過した人の声を見ると、総じて故障への不安は少ないようです。

    パワートレインやブレーキ、足回りなど基本的な部分での深刻なトラブルは見当たらず、エアコンなどの電装系も問題視する声は少数派。

    全体の評価としては「壊れやすい」レッテルは当てはまらないのではないでしょうか。

    むしろ高く評価されているのが、取り回しの良さと優れた燃費性能。都市部で使うにはちょうどいいサイズ感で、狭い路地や縦列駐車もスムーズにこなせるのが魅力のようです。

    排気量1,000ccのターボエンジンは、力強い走りと経済性を高いレベルで両立しているとの声が目立ちました。

    ただし、アイドリングストップの作動に違和感を覚える人が複数見られたのは気がかり。

    Sトロニックの変速ショックやハンドルの重さなど、アウディ特有の癖を指摘する意見もあるので、購入前の試乗は必須と言えます。

    ランニングコストは想定内という人が多いものの、それなりに覚悟が必要なのは間違いなさそうです。

    Q2の燃費は良い?悪い?実燃費をレポート

    コンパクトなボディに150ps(1.5L車)を誇るパワフルなエンジンを積むQ2。

    見た目からは燃費の良さは期待できなさそうですが、公称値(カタログ値)はなんと19.8km/L

    はたして実際の走行シーンでも、この数字は達成できるのでしょうか。

    モータージャーナリストの平川氏は、1.0L TFSIエンジン搭載車で実燃費を検証

    街乗り主体の1,000km走行で16.8km/Lをマーク、公称値(19.8km/L)の84.8%に到達したそうです。

    一般的にガソリン車の実燃費は公称値の7〜8割程度と言われるので、この結果は上々。エンジンの気筒休止システムと7速DSGの効果が如実に表れていると評価しています。

    SNSでも、Q2の燃費の良さを実感しているユーザーの声が多数。

    「昨日、半年ぶりに実燃費を計測したら、18.2km/L! 1.0Lとは思えないパワーと経済性の高さにますます惚れ込んでしまった(笑)」(30代男性)

    「アウディQ2に乗り換えて1ヶ月。通勤とちょっとした遠出で1,500kmほど走ったけど、平均燃費は16.5km/L。狭い道が多い都内の渋滞でも17km/L近く行くのは驚き。車両価格の割に燃費良すぎ!」(40代女性)

    「先週、名古屋から東京まで高速使って片道350km。途中渋滞に巻き込まれたのに、燃費は18.3km/Lでした。120〜80km/h以下で走れば20km/L超えるかも。このパワーと燃費性能なら、ディーゼル選ばなくてよかったかな」(50代男性)

    Q2に限らず、カタログ燃費と実燃費にはギャップがあるのが普通。

    それでも、タンク1回(50L)で700〜800kmは走れるというのは、SUVとしては立派な数字です。

    高速巡航時なら20km/Lに届くケースもあり、ディーゼル車顔負けの燃費性能と言えるでしょう。

    ただし、スポーティなSUVだけに「速く走りたくなる」というジレンマも。

    特にS lineなどのグレードは、足まわりの異音や振動に敏感になるとの指摘もあります。

    燃費のために我慢するのはナンセンス」という声もよく分かりますが、かと言って無理は禁物。

    メーター内の瞬間燃費計を意識しながら、上手にアクセルワークすることをおすすめします。

    Q2の維持費はどのくらい?年間コストを計算

    コンパクトなボディに先進装備をギュッと詰め込んだQ2。そのスタイリッシュさと高級感から、維持費が高そうなイメージを持つ人も少なくないはず。

    でも実際のところ、ランニングコストはどの程度なのでしょうか。

    まず、自動車税は排気量によって税額が異なります

    Q2の場合、1.0Lエンジンと1.4Lエンジン(現行モデルは1.5L)を積むグレードがラインナップ。

    それぞれ年間で約29,500円と34,500円の自動車税がかかる計算です。

    次に、1年間の燃料代。仮に年間10,000km走るとして計算すると、ハイオク1Lあたりの価格を160円とした場合、約80,000円〜89,000円ほど。

    先述の通り燃費性能が高いため、SUVの中ではかなりお得な部類に入るでしょう。

    自動車重量税は車検のタイミングで支払うもので、Q2の車両重量は1,310〜1,340kgのため年換算で約12,300円

    自賠責保険料も車検時に合わせて納めるので、同じく年換算で約12,260円が必要です。

    任意保険は年齢やグレード、補償内容によってピンキリですが、1年あたりおおよそ3〜9万円が相場。

    一方、メンテナンス費用はディーラー次第で、エンジンオイル交換などで数千円〜3万円ほどが必要になります。

    タイヤ交換などのタイミングによっては、年間10万円を超えることもあり得ます。

    その他、車庫証明手数料や駐車場代なども含めると、アウディQ2の年間維持費は安く見積もって約38万円、高くても55万円ほどではないでしょうか。

    ただ、後述する中古車の場合は少し事情が変わってきます

    例えば2017年式のQ2 1.0TFSIスポーツ(走行6万km)の中古車相場は約246万円。仮に現金一括で購入し、10年乗るつもりだとします。

    その場合の減価償却費(年間)は約25万円で、ここに維持費の最大値(55万円)を合わせると、1年あたりの総額は約80万円となる計算です。

    一方、ライバルのBMW X2 sDrive18i(2022年式)の新車価格は540万円前後

    メルセデス・ベンツGLA180も同じく499万円ほどするので、Q2を選ぶだけでイニシャルコストは100万円以上お得

    燃費面でもX2(15.8km/L)やGLA180(14.6km/L)より優れているため、中長期的に見てもQ2のコスパの高さは際立っていると言えるでしょう。

    とはいえ、長く乗るほどに修理や部品交換のリスクは高まります

    エアコンコンプレッサーの故障(20〜30万円)やタイミングベルト交換(20万円前後)など、高額な出費になる可能性は考慮しておくべきです。

    カーライフを思い描くとき、新車のキラキラ感に惑わされることなく、目先の購入費用だけでなくトータルの維持費もしっかり意識することが肝心だと言えます。

    【比較】ライバル車買うならどっち?Q2とヤリスクロス・BMW X2を徹底比較

    出展元:BMW X2 (U10) : モデル、主要諸元および価格 | BMW.co.jp
    出展元:新車情報|グーネット新車

    軽快なフットワークと優れた燃費性能を武器に、SUV人気に乗るアウディQ2。しかしその個性は、果たして他車と比べてどうなのでしょうか。今度は、ライバル車種を交えて、そのメリット・デメリットを探っていきます。

    まず、最大のライバルと目されるのがBMW X2。基本スペックを見ると、全長4,360mm×全幅1,824mm×全高1,526mmと、どちらも4.2〜4.3mクラスのコンパクトボディが特徴

    また搭載エンジンも、ガソリンとディーゼルを織り交ぜた4気筒ユニットをメインにラインナップしています。

    X2のアドバンテージは、やはりスポーティなデザイン。特にMスポーツのグレードはキドニーグリルやサイドウインドウのグラフィック等で、よりダイナミックでスタイリッシュな印象を与えます。

    またFFベースの「sDrive」に加え、4WDの「xDrive」も用意。

    雪国など、より過酷な環境で使う人には嬉しい選択肢と言えるでしょう。

    一方、アウディQ2の最大の魅力は、4,200mmという車幅1,800mm以下のコンパクトさ。狭い路地の多い日本の住宅街でも取り回しがよく、機械式駐車場にも収まるのは大きな武器です。

    BMWと比べるとFFモデルのみで走りのバリエーションは劣りますが、ステアリングのフィーリングやシフトレスポンスの良さは上質な走りを好むドライバーの心をつかんで離しません。

    次に、もう一つのドイツ勢、メルセデス・ベンツGLAとの比較です。

    こちらは全長4,410mm×全幅1,834mm×全高1,611mmと、3車種の中では一番大きめ。

    価格帯もGLA180で500万円前後とQ2より100万円近く高く、その分ラグジュアリー感では一日の長があります。ただ逆に都市部で使うには窮屈さを感じるかもしれません。

    一方で、ターゲットユーザーが異なるものの、国産SUVのヒットモデル、ヤリスクロスとの比較も興味深いところ。

    全長4,180mm、全幅1,765mmとQ2より一回り小さく、運転のしやすさでは上回ります

    パワートレインもハイブリッド専用で、WLTCモード燃費は28.8km/Lと抜群。

    ただ排気量1.5Lエンジンながらトルクは12.0kgmと控えめで、アウディのような俊敏な走りとは程遠いのが玉に瑕。

    あくまで日常使いを重視した実用派と位置付けられるでしょう。

    そこで、改めて両者のスペックを比較。果たしてQ2とヤリスクロス、どちらを選ぶべきなのかを考えていきましょう。

    まず、サイズ感を見ると、全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,560mmのヤリスクロスに対し、Q2は全長4,200mm×全幅1,795mm×全高1,520mm。Q2のほうが全長で20mm、全幅で30mm大きい一方、ヤリスクロスは全高が40mm高い計算です。

    つまり、Q2はよりワイドでスタイリッシュなプロポーション、ヤリスクロスはタテヨコのバランスが取れているのが特徴と言えるでしょう。

    実際、2台を並べてみると、大きさの違いは歴然。Q2はスタイリッシュなクーペスタイルで、スッキリとしたイメージがあります。一方のヤリスクロスはやや箱型のシルエットで、より「SUVらしい」プロポーション。好みが分かれるところです。

    次にパワートレーン。ヤリスクロスはハイブリッド一本で、搭載するのは最高出力116psの1.5L直列3気筒エンジンと80ps(システム合計145ps)の電気モーター。

    Q2は110ps/150Nmを発生する1.0L直列3気筒ターボと、150ps/250Nmの1.5L直列4気筒ターボの2種類をラインナップしています。

    つまりヤリスクロスはエコ志向のマイルドハイブリッド、Q2はよりスポーティなガソリンターボという棲み分けがなされているのが分かります。

    実際、WLTCモードでの燃費はQ2の1.0Lで15.8km/L、1.5Lで14.7km/L。

    一方ヤリスクロスは驚異の28.8km/Lをマークしているので、経済性ではQ2を圧倒しているのは明らか。

    ただ、アクセル踏み込み時のレスポンスやふけ上がりは、さすがにQ2に分があるかな、と。

    では、足まわりはどうなのか。サスペンションはQ2がストラット式とマルチリンク式の組み合わせ、ヤリスクロスは前後ともにトーションビーム式を採用。加えてQ2には、アダプティブサスペンションを備えた電子制御ダンピングシステムを設定。路面状況に合わせて減衰力を自動制御してくれるので、より上質で安定感のある乗り心地が狙えます。一方のヤリスクロスはベーシックな作りですが、その分軽量化に一役買っているのは確か。両車の車重差は、なんと約250kgにも及びます(ヤリスクロス ハイブリッドZ”Adventure”の1,130kg、Q2 35TFSIアドバンスドの1,340kg)。

    同様に、制動装置もQ2が4輪ディスクブレーキ、ヤリスクロスが前後ドラム式と、こちらも高級感で一日の長あり。ただ、カタログスペック上の制動距離を見ると、ヤリスクロスのほうが若干短めで、軽量ボディの効果が如実に表れている印象です(時速100km → 0kmへの制動距離は、ヤリスクロスの37.3m、Q2の37.8m)。

    さて、ではお値段はと言うと、ヤリスクロスの価格帯は247〜318万円(ハイブリッド車)。一方、Q2は2022年7月時点で425万円〜545万円と、ほぼ1.5倍の開きがあります。

    しかしそこは価格なりの価値を提供しているのがQ2の真骨頂

    例えば、アダプティブクルーズコントロールや衝突回避システム、LEDヘッドライトなど、ヤリスクロスより先進的な装備が充実

    見た目の洗練度や高級感も段違いです。

    とはいえ、日常の足としてはヤリスクロスのようなシンプルさや実用性も重要。結局のところ、「何を求めるか」で選ぶべき1台は変わってくるのではないでしょうか。スポーツ走行を楽しみたいならBMW X2、ラグジュアリー感ならメルセデス・ベンツGLA、とにかく使い勝手ならヤリスクロス、そしてそれぞれの良いところを程よくミックスさせたのがアウディQ2と言えます。

    さて、最後に価格面。2022年7月時点の価格を見ると、ヤリスクロスのハイブリッドZが276万円〜296万円、Q2の1.0TFSIが412万円〜449万円。仕様にもよりますが、ヤリスクロスのほうが100万円以上安い計算になります。ランニングコストを加味すると、その差はさらに開きそうです。

    ただ、この価格差以上に「得られる満足感」が違うのも事実。特に内外装のクオリティ、仕上げの良さではQ2が一枚上手。触れるだけで高級感が伝わってくるので、所有欲をかき立てられる人も多いのではないでしょうか。一方、ヤリスクロスはシンプルで飽きのこないデザイン。実用性に振った設計思想は、日常使いには持って来いかもしれません。

    結局のところ、「Q2とヤリスクロス、どちらがおすすめか」と問われれば、一概には言えない、というのが正直な答え。予算の許す限り装備やデザインにこだわりたい人はQ2、より経済的で実用本位な1台が欲しい人はヤリスクロス。そんな具合に、ライフスタイルに合わせてチョイスしてみては如何でしょうか

    ただ、今後は電動化の波がさらに加速することは間違いなし。「EVシフトで選択肢が狭まる前に、今のうちにQ2を買っておきたい」という向きにとっては、中古でも新車でもQ2を選ぶだけの十分な理由にはなりそうです。

    予算や使用頻度をしっかり見極めつつ、実際に見て触って、試乗して比べてみること。それが、Q2選びのゴールデンルールになるはずです。

    Q2の中古車相場はいくら?狙い目の年式は?

    2022年7月時点で、アウディQ2の新車価格は425万円〜545万円前後。加えて諸費用も30〜50万円ほどかかるため、総額500万円は覚悟したいところです。とはいえ、発売から5年以上が経ち、徐々に中古車市場にも良質な個体が増えてきました

    例えば、2017年登録のQ2 1.0TFSIスポーツ(走行3.6万km)の相場は約239万円2018年式でグレードアップした1.4TFSIスポーツ(同0.9万km)でも、276万円前後で落札されています。つまり新車価格の約半額で購入できる計算。年式や走行距離によりますが、イニシャルコストを抑えたい人にはおすすめの選択肢と言えるでしょう。

    では、具体的にどの年式を狙うのがベストなのか。まず外せないのが、2019年11月のマイナーチェンジ以降のモデルです。このタイミングでは1.4Lエンジンは1.5Lに変更され、全グレードがEuro 6dに適合。加えてLEDヘッドライトやデジタルメーターパネル「バーチャルコックピット」を全車標準化するなど、装備の充実が図られました。

    一方、やや古い2017〜2018年式は新車登録から4〜5年が経過しているため、純正新車保証が切れている可能性大。初年度登録から3年、走行距離は無制限の保証が基本なので、年式が古い分はアフターサービスに不安が残ります。さらにAudi正規ディーラーの「アウディ認定中古車」なら最長2年の保証が付くので、できるだけ新しい年式が狙い目。ただし保証内容は契約年数によって異なるため、よく確認しておく必要がありますね。

    走行距離は5万km以下が理想的。ただ先代モデルと比べると故障は少なく、10万kmを超える個体でもエンジンやミッションに大きな問題は見られません。とはいえ、年式が古いほど経年劣化によるトラブルリスクは高まるので、点検記録簿の有無もしっかりチェックすべし。前オーナーがメンテナンスをきちんとしていたかどうかで、今後のカーライフが大きく変わってくるからです。

    価格面では、狙いは2018年〜2019年あたり。ボディタイプ別に見ると、最も人気が高い1.4TFSIスポーツ(FF)の相場は2019年式で313万円、2018年式で276万円ほど(2022年7月調べ、いずれも中古車相場サイト「カーセンサー」より)。前述の通り新車の半額程度なので、頑張れば予算350万円でおさまる計算です。

    但し、あまり古い年式は消耗品交換などでランニングコストがかさむため、できれば2年以内の新しい個体がおすすめ。初期型は5年落ち以上になるので、次の車検時にオイル漏れや足まわりのガタつきなどが発覚するリスクが高いですしね。もしスポーツ志向のS lineを狙うなら、予算は最低でも400万円は見ておいたほうが無難。諸費用も計算に入れ、余裕を持った資金計画を立てることが肝心です。

    アウディQ2が壊れやすいのは本当?原因と対策を解説

    出展元:アウディジャパン

    コンパクトボディに個性的なデザイン、上質な走りを絶妙にブレンドしたアウディQ2。

    発売から5年以上が経過し、リセールバリューの高さや実用性の高さで人気を集めています。

    その一方で、ネット上では「壊れやすい」「故障が多い」といった口コミも散見されるのが事実。

    はたして、そのイメージは本当なのでしょうか。ここからは、Q2ユーザーの生の声や修理データなども参照しつつ、Q2の故障リスクの真偽や、その原因と対策について解説していきます。

    Q2の故障事例と修理費用の目安

    まず、AudiユーザーのSNSなどで報告されている故障事例をいくつかピックアップしてみました。

    「1.0TFSIに乗って2年半、3万キロ弱。

    1カ月ほど前からエンジンルームから異音がするようになり、ディラーで見てもらったらサーモスタッドが逝ってた

    部品代と工賃合わせて18万円。少し痛い出費だけど、今のところこれ以外は大きな故障なし」(30代男性)

    「Q2 1.4TFSIスポーツ、4年落ちで購入して1年。先日キーが回らなくなり動かなくなったので、レッカー移動。

    原因はイモビライザーの不具合らしく、4万円かかった。

    このクラスにしては電装系のトラブルが多いきらいがあるみたい。

    購入前にもっと下調べしておけばよかった」(40代男性)

    「購入半年でバッテリー上がり。幸いディーラーの保証が効いたけど、原因は電動パーキングブレーキの引きずり。その後もたびたび警告が出るので、バッテリーが持つか心配。こんなのアウディらしくないと思うなあ」(30代女性)

    このように、Q2でも故障は一定数発生しているのが分かります。

    中でも目立つのは電装系の不具合で、オルタネーターやバッテリー周りのトラブルは多いようですね。

    ただ他のドイツ車と比較すると、エアサスやターボ関連の致命的な故障は少ない印象。

    とはいえ、ディーラーの修理代は基本的に高額。先述のサーモスタッドの事例では、その一端をうかがい知ることができました。

    そこで、アウディ車でよくある故障の修理費用の相場をまとめてみました(価格は目安、参考:アウディ修理.com)。

    ・オルタネーター交換:6〜10万円
    ・ウォーターポンプ交換:6〜8万円
    ・ラジエーター交換:8〜15万円
    ・ブレーキローター・パッド交換(4輪):4〜8万円
    ・エアコンコンプレッサー交換:20〜35万円
    ・フロントガラス交換:8〜15万円

    Q2は比較的新しいモデルで、まだ経年劣化による大規模修理の報告は少ないですが、輸入車ゆえの高額パーツ代は避けられません

    仮に法定点検を除く一般整備だけで年間10万円、3〜5年に1度のタイミングで20〜30万円の出費があると仮定すると、10年間のランニングコストは最大150万円ほどになる計算です。

    加えて、ディーラー車検は安くても10万円以上。エンジンオイルやブレーキオイル、エアクリーナー、ワイパーゴムなど、消耗品の交換コストも馬鹿になりません。

    BMWやメルセデス・ベンツと比べるとQ2の維持費は安めですが、国産車の約1.5倍と見積もっておくのが無難でしょう。

    ここで、Q2ユーザーに役立つ損害保険の存在も紹介しておきます。代表的なのがAudiの正規ディーラーでも扱っている「Audi自動車保険プレミアム」。メーカー保証を2年延長したり、運転中のトラブルにも24時間対応してくれるなど、手厚いサポート体制が魅力です。

    保険料はやや高めですが、突発的なトラブルや高額修理に備えたい人にはおすすめのオプション。Audiユーザーのためにカスタマイズされているので、Q2オーナーも一考の価値アリですね。

    Q2は何年乗れる?寿命を左右するポイントとは

    アウディQ2は何年ぐらい乗り続けられるのでしょうか。その期間を左右するのは、大きく以下の3つの要因だと考えられます。

    【1】使用環境

    雪国など、四季の寒暖差が激しい地域で使う場合、経年劣化は避けられません。特にサビは車両の寿命に直結する大敵。ドアパネルの裏側やフェンダー部、ボンネットフードの内側などはチェックが欠かせません。またエアコンの効きが悪くなったり、ガラスが曇りやすくなったら、ヒーターコアの故障サイン。

    そのまま放置すると、最悪フロアがグチャグチャになるなんてこともあります。普段から目を光らせておきたいポイントと言えますね。

    一方、年間走行距離も車の寿命に大きく影響します。1万キロ以下なら比較的負担は少ないですが、2万キロを超えるようだとさすがに消耗の度合いは大きく変わってきます。過酷な使い方をしてきた車は、見た目は綺麗でもダメージの蓄積は避けられません。

    遠出が多かったり、仕事でガンガン使うなら、早めの買い換えも視野に入れたほうが賢明かもしれませんね。

    【2】整備状況

    次に大切なのが、定期的なメンテナンス。ディーラー指定の点検項目をきちんとこなしているかどうかで、車の寿命は大きく変わってきます。特にアウディ車の場合、エンジンオイルとフィルターの交換は1年または1.5万キロごと、ブレーキフルードは2年ごとが目安。また、タイミングベルトの交換は5年または12万キロが推奨サイクル。

    これらを怠ると、致命的なトラブルやエンジンの焼き付きを招くリスクが高まります。

    加えて、ヘッドライトやウィンカーなどの電球切れ、窓ガラスのひび割れ、タイヤの溝の減り具合など、日常点検を習慣づけておくことも肝心。自分で確認できる範囲のことは、こまめにチェックしておきたいものです。

    【3】修理歴

    最後に見落としがちなのが、事故歴や修理歴の有無。例えば、大きな故障の履歴があると、その後のトラブル発生リスクも自然と高くなります。適切に直されていない可能性も捨てきれません。

    また、洪水車や冠水車などの水害履歴も要注意。一見大丈夫そうでも、電装系のショートや腐食が進行していることも。専門店などでしっかり点検・整備された車両なら問題ありませんが、素性の知れない車は避けたほうが無難です。

    以上、Q2の寿命に関わるポイントをまとめてみました。裏を返せば、きちんとメンテナンスしていけば、10年以上20年近くまで乗り続けられる可能性は十分あるということ。

    事実、アウディ車で20万キロ、30万キロ超えは珍しくありません。過酷な環境でなければ、Q2も然り。国産車には及びませんが、同クラスの輸入車と比べると、壊れにくい部類に入るのではないでしょうか。

    ただ、どんなに丁寧に扱っても、消耗品の交換は避けて通れません。少なくとも10年乗るつもりなら、ブレーキパッドやワイパーゴムなどで数十万円、エンジンマウントやサスペンションのブッシュ交換で50万円以上のランニングコストは見込んでおく必要があります。

    それでも維持費を惜しまず世話を欠かさない。それこそが、Q2との長い付き合いを実現するコツなのです。

    Q2を買って後悔の声も!購入前に知るべき注意点

    アウディQ2は、確かに「コンパクトSUVの理想型」とも言える魅力に溢れた1台。ただ一方で、Q2を買ったことを後悔しているという声も少なからず聞かれます。

    Twitter上の投稿を見ると、「Q2 1.0TFSIスポーツ、4年落ちで買って2ヶ月でもう手放したい。燃費は最高だけど、フロントタイヤのロードノイズと突き上げ感がハンパない。コンパクトでもアウディらしい乗り心地を期待してたんだけどなあ」(40代男性)

    「アウディQ2、1.4TFSIを新車で購入して1年半。街乗り&アウトドアと考えてのチョイスだったけど、結局使い勝手はいまいち。後部座席は狭いし荷室も物足りない。サイズはコンパクトだからいいけど、ヘビーユーザーにはちょっとキツイかな」(30代男性)

    「Q2納車されて半年、2021年式 S lineに乗ってるけど、内装の質感がビミョー。確かに外観はカッコイイし走りは最高なんだけど、ドアトリムとかの樹脂感が拭えない。メルセデスとかBMWと比べると、まだ一歩及ばない感じ」(30代女性)

    と、車両サイズや質感不足への不満が見受けられました。特に、アウディブランドへの期待が大きいだけに、コンパクトクラス特有の「割り切り」が求められるQ2のスペックでは、物足りなく感じる人もいるようです。

    また、先のポイントにも関連しますが、「2年落ちのQ2 1.4TFSI、オプション込みで400万近くで買ったのに、エアコンの効きが悪くてショック。標準装備のフロントオートマチックエアコンって、これであってるのかな。運転席と助手席で温度差がありすぎると思うんだけど」(30代男性)

    「Q2に乗り始めて1年半、ようやく慣れてきたけどアイドリングストップだけは我慢ならない。信号待ちでブレーキから足を離した瞬間に、ガクンって結構大きな衝撃があるの。流石にアウディでこれは設計ミスじゃないかと思ってる」(40代男性)

    などといった、いわゆる「ユーザビリティ」に関する不満も目立ちます。Q2はもともと欧州向けに設計された車種なので、日本の気候風土やドライバーの感覚とは、どうしても多少の乖離は生じてしまうのでしょう。

    加えて、ディーラー対応の悪さを指摘する声も。

    「半年点検でオイル漏れを指摘され、初回から20万円の請求。これが正規ディーラーの対応か?と悲しくなった。こんなんじゃアフターフォローも期待できないし、今さらだけどアウディ選んだこと後悔してる」(50代男性)

    高級車ブランドであるがゆえの、過剰な期待もあるのかもしれません。でも、メンテナンス体制含め、もう一

    歩親身になって欲しいというのは本音のところ。Q2に限らず、アウディジャパンには今一度フォロー体制の充実化を望みたいですね。

    いずれにせよ、こうした点は個人の感覚によるところも大きいので、ひとつの意見として参考程度に留めておくのがベストでしょう。故障のリスクは避けられませんが、日常の使い勝手含め、ご自身の目で確かめることが何より大切。後悔しないQ2選びのカギは、やはり試乗にあると言えそうです。

    売れてない?Q2の販売不振の原因を考察

    発売当初は熱狂的なファンも多かったQ2ですが、ここ最近は販売台数が伸び悩んでいるようです。事実、日本自動車輸入組合(JAIA)のデータによると、2021年の国内販売台数はわずか1,540台。2020年の1,683台からさらに落ち込む結果となりました。

    確かに、SUVブームの追い風を受け、各社が先を争うようにコンパクトモデルを投入。Q2と同クラスを狙うBMW X2やメルセデス・ベンツGLA、ボルボXC40など、有力なライバルが目白押しです。加えて、ポルシェ マカンやアウディ Q5などのミドルクラスも、価格を下げて参入してきている状況。そうしたなかでは、さすがにQ2も苦戦を強いられているのでしょう。

    では、販売台数の落ち込みの原因は何なのか。ひとつ考えられるのが、そもそものQ2の認知度の低さ。「アウディと言えばA4」というイメージが未だ強く、SUVラインナップの充実度はメルセデス・ベンツやBMWほどではありません。新聞の折り込み広告などでもQ2の露出は少なく、存在感はまだまだ薄いのが現状です。

    また、そのサイズ故のデメリットもあるでしょう。全長4,200mmというコンパクトなボディは、都会での機動力は抜群。でも一方で、アウトドアなどで本格的に使うには、やや心もとないのも事実。ゴルフバッグやベビーカーなど、ファミリーユースだと荷室の狭さが不満につながりやすいのです。その点、ライバルのGLAやXC40は全長4,400mm以上を確保。3列シート仕様のグレードもあり、使い勝手では一日の長があると言えます。

    さらに、ディーゼルモデルの不在もマイナス要因のひとつかもしれません。欧州では人気の「Q2 TDI」ですが、日本では過去にVWの排ガス不正問題もあって導入は見送り。もともと日本人はガソリン車志向が強いものの、それでも経済性や環境性能を重視するユーザーのニーズに応えきれていない面はあるでしょう。

    とはいえ、Q2の魅力が色あせたわけでは決してありません。4,400万円を切る価格設定は、ライバル勢と比べても十分な競争力。高速道路での安定感や運動性能の高さは、SUVとは思えないほどの出来映えです。デザインのアクの強さも、他ブランドにはないQ2ならではの個性と言えるでしょう。

    実際、ネット上の評判を見ても、「コンパクトさが最高」「街乗りで運転しやすい」「燃費も満足」など、高く評価する声は根強くあります。現行グレードのラインナップにさえ、工夫の余地はまだまだ残されているはず。アウディジャパンには、Q2の魅力をより多くのユーザーに届けるため、戦略の再構築を期待したいですね。

    Q2は廃止濃厚?次期モデルの可能性を予想

    2022年に5周年を迎えたQ2。ただモデルチェンジについては、まだアウディサイドからの正式なアナウンスはありません。一部では「SUVクーペ化」の観測を囁かれていますが、真相のほどは謎に包まれたまま。となれば、そろそろ「Q2は廃止されるのでは?」との見方も出てきて当然でしょう。

    ただ、Q2の後継モデルについては慎重な見極めが必要だと思います。そもそも本国ドイツでは、今なおQ2の販売を継続中。2020年には、大幅なフェイスリフトも施され、内外装のクオリティ向上が図られています。ヘッドライトまわりのデザインを一新したほか、最新のインフォテインメントシステムを搭載。シートの質感などにも改良が加えられ、いっそうプレミアム感を増した印象です。

    他方、アウディは2030年代前半に、ガソリンエンジン車の開発を終了する方針を表明。2026年以降は、EVシフトに本腰を入れる構えです。すでにQ4 e-tronなど、EV専用プラットフォームを用いたSUVの投入が加速しており、いずれはガソリン車に取って代わる流れは避けられません。Q2の廃止についても、その一環ととらえる向きは少なくないのでしょう。

    ただ、欧州市場を見る限り、大きな方向性としてはEV化が進むにしても、Q2クラスのコンパクトSUVの需要がゼロになるとは考えにくいのも事実。中国でもGLA並みのサイズ感が人気とのことで、アウディとしては「A1並みのEVコンパクトSUV」の開発を急ぐのではないでしょうか。その行方を占う意味でも、Q2の動向から目が離せません。

    しかし、日本市場への投入はかなり困難を伴うと言わざるを得ません。前述の通り、日本でのQ2の販売実績は決して芳しくないのが現状。EVという新しいコンセプトを加えても、厳しい戦いは免れないでしょう。そう考えると、次期Q2の導入は「ない」というのが自然な流れなのかもしれません。

    その一方で、「日本人のEV志向の高まり」を追い風に、新たな提案に挑むというのも選択肢のひとつ。環境性能やランニングコストの良さを前面に押し出しつつ、よりカジュアルな価格設定を実現。「ヤリスクロスオーナーも狙える」、そんな間口の広さを実現できれば、Q2の存在感は劇的に変わるはずです。

    ただ、Q2のEV化についてはドイツ本国でもまだ言及されていないだけに、あくまでも希望的観測の域を出ません。結局のところは、市場の反応とアウディの経営戦略次第というのが本音のところ。私たちユーザーとしては、Q2のその先をしっかりウォッチしつつ、この先の動きに注目したいと思います。

    Q2の車検費用と必要な部品

    最後に、アウディQ2の車検費用と交換が必要な部品について整理しておきましょう。Q2の車検は、新車登録から3年後が初回。以降は2年ごとです。

    法定費用としては自賠責保険料(24,950円/2年)と重量税(25,200円/2年)、印紙代を合わせて5万2650円が必要。ここに基本点検料として1万5000円〜3万円ほどが上乗せされ、最終的に6万〜9万円が相場になります。ただこれに、24ヶ月点検費用約5万円とエンジンオイル、ワイパー、バッテリー、ブレーキ関連の部品代が別途必要。さらに不具合箇所のリペアが発生した場合は、10万円を超えることも珍しくありません。

    車検で特に気を付けたいのが、ブレーキフルード。2年を経過すると水分を含んで劣化するため、こ

    まめな交換が不可欠。ブレーキ本体の部品寿命も3〜4万km程度なので、パッドやローターの磨耗もしっかりチェックしておくのが鉄則です。エアフィルターにエアコンフィルターは1〜2年での定期交換が理想。アウディ車は内装のニオイや曇りの原因になりやすいので、特に注意が必要と言えますね。

    また、エンジンオイルについてもQ2の場合は「ロングライフサービスで最大1万5000km・1年」が推奨交換ペース。ただ実際は使用状況に応じて早めの交換が必要なケースも。とくに短距離メインで乗っている人は、8000kmを目安にしてみるのがおすすめです。粗悪なオイルを使い続けると、エンジンにダメージを与えるだけでなく、触媒の劣化や詰まりを引き起こす恐れも。数万円ケチったばかりに、数十万の出費を招くことも珍しくありません。

    このほか、経年劣化による突発的なトラブルにも要注意。2〜3万km走るごとにオイル漏れやエア漏れがないか総点検したり、ゴムホースやOリングにヒビ割れが出ていないかもチェックしておきたい。その予防策としてのメンテナンスにこそ、長くQ2に乗るコツがあると言っても過言ではありません。

    加えて、車検と合わせて部品の保証内容も確認すべし。例えばアウディの純正バッテリーは3年または6万kmの保証。ディーラーで定期的な点検を受けていれば、期間内の故障は無償で交換してもらえます。Q2にもやさしい部品を、上手く活用するのが経済的。ちょっとした工夫がランニングコストを抑える秘訣になるはずです。

    とはいえ、車検時のトータル費用は、国産車の1.5倍が目安。決して安くはないだけに、日頃から整備を心がけることが肝要。「3年目の壁」「5年目の壁」を乗り越えるには、こうした地道な努力を積み重ねるしかありません。Q2との末永い付き合いのためにも、ランニングコストへの備えをしっかり念頭に置いておきたいですね。

    以上、アウディQ2について、故障率や燃費、維持費、ライバル車との比較など、多角的に分析してみました。小型SUVとしてのパッケージングに優れ、Audiらしいスポーティな走りが魅力のQ2。一方で電気系統のトラブルが多いなど、完璧とは言えない一面もあるのは事実です。

    また懸念されるのは、今後のEV化への対応。ガソリンエンジン前提のプラットフォームを採用するだけに、次世代に向けた環境性能をどこまで高められるかがカギになりそうです。

    しかし、初代としては上々の仕上がりだと言えるのではないでしょうか。もちろん改良の余地はまだまだありますし、そもそもボリュームゾーンを狙った車種ではないのは確か。ただそれでも、時代の空気を先取りしたQ2のデザインと個性は、必ずやアウディファンの心をつかんで離さないはずです。

    街中で映える」「ちょうどいいサイズ感」「日常使いにベスト」。そんな声に代表されるように、Q2にはコンパクトプレミアムSUVならではの魅力がある。壊れにくさはまだ完全とは言えませんが、少なくともアウディのブランド力は、Q2の価値をしっかり支えているように思います。

    長く乗るほど、Q2の持ち味が際立ってくる。だからこそメンテナンスは惜しまず、できることから実践していく。そうすれば、Q2との日々はより輝きを増すに違いありません。

    壊れやすいと言われても、Q2を選んだあなたなら、きっと乗りこなしていける。そんなオーナーのプライドとともに、Q2の魅力を味わい尽くしてほしいと思います。

    まとめ:アウディQ2の故障率や壊れやすい部位、耐久性について

    • アウディQ2の故障率はアウディ車の中では比較的低い
    • 電装系のトラブルが多く、エアコンやパワーウィンドウの不具合の指摘がある
    • 燃費性能は高く、街乗りで16km/L以上、高速巡航なら20km/L超えも可能
    • 年間の維持費は安く見積もって約38万円、高くても55万円程度
    • ライバルのBMW X2やメルセデス・ベンツGLAと比べ、燃費面で優位
    • 同クラスのヤリスクロスと比べると経済性では劣るが、走りの楽しさは上回る
    • 中古車相場は新車の半額程度で、2018年式で276万円前後
    • 長期的な乗り換えなら、2019年のマイナーチェンジ以降のモデルがおすすめ
    • 電動化の流れから次期モデルについては不透明だが、SUVの需要は根強い
    • 車検費用はディーラー点検込みで10万円以上、エアコンやサスペンションの交換に注意
    • きちんとメンテナンスすれば10年以上の長期乗車も可能
    • EVシフトへの対応や、日本市場での販売戦略の行方に注目が集まる
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