アウディTTは、スタイリッシュなデザインと高い走行性能を兼ね備えた人気のスポーツカーです。
しかし、中古車市場では他の高級スポーツカーと比べて安いという特徴があります。
なぜアウディTTの中古車は安いのでしょうか?
その理由について、新車価格や欠点、壊れやすさ、寿命など、多角的な視点から探っていきます。
また、実際にTTに乗っている人の口コミや評判も交えながら、購入時の注意点についても解説します。
燃費や維持費の面でも優れた一面があるTTですが、一部に「ダサい」といった批判的な意見もあるのが実情です。
この記事を読めば、アウディTTの中古車が安い理由が分かるだけでなく、購入後に後悔しないための情報が得られるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
- アウディTTが中古車市場で安い理由と背景
- TTオーナーの満足度と口コミ・評判
- TTの欠点や弱点、注意点
- 中古のTTを購入する際のポイント
アウディTTはなぜ中古車市場で安いのか
アウディTTは、スタイリッシュなデザインと高い走行性能を兼ね備えた、プレミアムスポーツカーとして人気の車種です。
しかし中古車市場では、他の高級スポーツカーと比べると比較的安価で取引されているのが特徴です。
ここではその理由について考察していきましょう。
初代TTは年式が古く絶対数が少ないから安い
アウディTTの初代モデル(8N型)は1998年に登場し、2006年まで生産されました。
現在では20年以上前の車両となるため、年式の古さから相場が下がっているのは自然な流れと言えます。
また、日本における販売台数自体が少なかったこともあり、絶対的な流通量が少ないのも安さの要因の一つです。希
少価値はあるものの、プレミア化するほどの人気とはなっていないのが現状でしょう。
ただし、初代TTが安いからと言って、TTの魅力や完成度が低いわけではありません。
むしろ、当時としては革新的なデザインと優れた運動性能で高い評価を得ていました。
特に、アルミボディを採用した軽量コンパクトなボディに、1.8L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力180ps、最大トルク235Nmを発生。
FF駆動と4WD駆動が選べ、スポーティな走りを堪能できました。
また、わずか4.04mの全長ながら、2+2レイアウトのキャビンを実現。
機能性とデザイン性を高いレベルで両立させたモデルとして、今なお根強い人気を誇っています。
TTは同じドイツ車と比べると故障が少なく、壊れやすいとは言えない
一般的に、外車は国産車に比べて故障が多く、修理費用も高額になりやすいと言われています。
特にドイツ車は、高度な技術を搭載した分、トラブルも起きやすい印象があります。
しかし、アウディTTに関して言えば、同じドイツ車の中では故障は比較的少ない部類に入ると言えそうです。
その理由としては、まずTTがアウディの中でもエントリーモデルに位置づけられることが挙げられます。
例えば、最上級モデルのR8などに比べれば、TTの機構はシンプルで、電子制御なども最小限に抑えられています。
また、ベースとなるプラットフォームをフォルクスワーゲン・ゴルフなどと共有しているため、パーツの互換性が高く、部品の供給も安定しています。
加えて、TTを含むアウディ車の故障率は、ドイツ車の中では比較的低い部類に入ります。
BMW車やベンツ車と比べても、大きく信頼性が劣るわけではないのです。
特に、電子制御系の安定性はアウディの強み。
エンジン制御や駆動系の制御を司るコンピューターは、他のドイツ車に比べるとトラブルが少ないと言われています。
ただし、経年劣化によるトラブルは避けられません。
10年以上経過した車両では、ラジエーター周りやエアコン、オルタネーターの故障は覚悟しておく必要があります。
また、オイル漏れやセンサー類の故障など、一定の距離を走行した車両では起こり得るトラブルです。
ゴム製部品の劣化も避けられないところ。定期的な点検と、早めの部品交換が肝心だと言えます。
とは言え、TTに限らずアウディ車は、輸入車の中では比較的ユーザー自身で修理できる部分が多いのも特徴。
純正部品さえ用意できれば、ある程度の修理は可能なのです。
むやみにディーラーに頼るのではなく、自分である程度メンテできるようになるのもよいかもしれません。
結論として、「TTは壊れやすい」というイメージに惑わされず、しっかり整備していけば、末永く付き合える相棒になるはずです。
定期的なメンテナンスを欠かさず行えば、10万km以上の走行も可能と言われています。
深刻なトラブルを避けるためにも、定期点検を怠らず、異変があればすぐ対処することが大切ですね。
エアコン、オルタネーター、ラジエーターのトラブルは避けられない
前述の通り、アウディTTは比較的トラブルの少ない車種ではあるものの、経年劣化で起こりやすい故障も存在します。
特に、エアコンやオルタネーター、ラジエーターの不具合は、走行距離が伸びるにつれ避けられないと言えるでしょう。
エアコンの場合、コンプレッサーの故障が最も多く、異音や効きの低下などが見られます。
また、オルタネーターは発電効率が下がることで、バッテリー上がりなどのトラブルに繋がります。
ラジエーターは、経年劣化によるコア部分の腐食から水漏れを起こすケースが報告されています。
これらの部品は、基本的に新品に交換するしか方法がなく、しかも外車ゆえに部品代も高額です。
ただし、故障するまで使い続けるのではなく、定期的な点検で前もって対処することである程度のリスクは回避できます。
中古車選びの際は、整備記録をしっかりチェックし、こうした消耗部品の交換歴を確認しておくことが肝心と言えます。
同クラスの外車よりTTの燃費は良い
スポーツカーは一般的に燃費が悪いイメージがありますが、アウディTTに関しては同クラスの外車と比べると良い方です。
特に2006年以降の2代目(8J型)以降は、軽量化と空力性能の向上により、さらに燃費が改善されています。
例えば、2007年式のTT 2.0 TFSIクーペ(FF)の場合、JC08モード燃費は13.6km/L。スポーツカーとしては良好な数値と言えるでしょう。
また、2015年式のTT 2.0 TFSIクーペ(FF/7速S tronic)に至っては、JC08モード燃費は16.6km/Lにまで向上。実燃費でも10km/Lを超えることが期待できます。
もちろん、アクセルワークや走行条件によって燃費は大きく変わるため、一概に良いとは言い切れません。
しかし、TT程度のパワーと走行性能を持つスポーツカーの中では、比較的経済的に乗れる部類に入るのは間違いないでしょう。
2+2クーペのため後席は狭いが荷室は広い
アウディTTは、基本的に2ドアクーペですが、後席も備えた2+2レイアウトを採用しています。
これにより、純粋な2人乗りクーペに比べ、多少の実用性は確保されています。
とは言え、後席のスペースは非常に狭く、身長170cm以上の大人が座るのは厳しいと言わざるを得ません。
シートの前後スライドもほとんどできないため、運転席や助手席の足元を犠牲にしない限り、後席に人を乗せるのは難しいでしょう。
あくまで、子供や荷物を載せる程度のスペースと割り切るべきです。
その一方で、後席を倒せば最大700Lもの広大な荷室が出現します。
ゴルフバッグや大きめのスーツケースなども楽々積み込めるため、2人でのドライブ旅行にはうってつけ。また、デートユースとしても、ちょっとした買い物の荷物を載せるのに便利です。
2+2レイアウトならではの、使い勝手の良さと言えるでしょう。
丸みを帯びたデザインを高く評価する声もある
アウディTTの外観デザインは、丸みを帯びたフォルムが特徴的。クルマ好きの中には、「ダサい」「大人しすぎる」といった声もあるのは事実です。
直線的でアグレッシブなデザインを好む層からすれば、物足りなさを感じるのかもしれません。
しかし、TTのデザインを高く評価する声も多く聞かれます。
スポーティさの中に上品さを感じさせる丸みのあるフォルムは、飽きの来ないデザインと好評です。
角ばったデザインが主流となる中、独自の柔らかな曲線を生かしたスタイリングは唯一無二の存在感を放っています。
男女問わず、幅広い層から支持されているのも納得と言えます。
また、歴代のTTに共通して言えるのが、時代に左右されない普遍的な美しさを追求している点。
1998年の初代モデル登場から、すでに20年以上経過した現在でも、色褪せない魅力を放ち続けています。
流行に流されない洗練されたデザインは、TTの大きな武器の一つと言えるでしょう。
セミオートマのSトロニックは乗り方で故障リスクも
アウディTTには、セミオートマチックトランスミッションのSトロニック(Sトロニック)と呼ばれるギアボックスが搭載されています。
これは、マニュアルとオートマチックの両方の特性を併せ持つ、高性能なトランスミッションです。
Sトロニックの最大の特徴は、0.2秒という高速なギアチェンジを実現している点。
マニュアル車のようなダイレクト感と俊敏なレスポンスにより、スポーティな走行を可能にしています。
また、アクセルを踏み込めば自動的にシフトダウンする、kickdownという機能も備わっています。
ただし、Sトロニックは構造が複雑なだけに、乗り方によっては故障のリスクもあるのは事実です。
特に、信号待ちでブレーキを踏んだまま発進を繰り返すような、ストップ&ゴーが多い状況は厳禁。
クラッチの摩耗を早めたり、オイル劣化を招いたりするリスクが高まります。
また、激しい加減速やシフトチェンジを繰り返すのもよくありません。
オイルの劣化だけでなく、ギア自体の損傷にも繋がりかねません。
Sトロニックの良さを生かすためにも、スムーズな運転を心がける必要があります。
さらに、定期的なオイル交換も欠かせません。目安としては6万km毎と言われますが、TTのような高性能スポーツカーの場合、もう少し早めの交換が無難でしょう。
Sトロニックを末永く使い続けるためにも、日頃のメンテナンスを怠らないことが大切です。
カスタム車選びでは車検対応や純正部品の有無に注意
中古車市場でTTを探す際、カスタムが施された車両を見かけることもあるでしょう。
外観や内装、足回りなどをアフターパーツで改造することで、オリジナリティを出したいというニーズは理解できます。
しかし、カスタム車選びには注意が必要です。最も重要なのが、公認パーツを使用しているかどうかという点。
例えば、車高調やマフラー、ホイールなどは、そのパーツが保安基準に適合していなければ車検が通らなくなる恐れがあります。
改造理由書の提出が求められ、最悪の場合は純正に戻す必要も出てきます。
また、今後の修理やメンテナンスの際、純正部品の確保が難しくなるケースもあります。
TTは日本国内での流通台数が少ないため、純正リペアパーツの在庫にも限りがあるのが実情。
カスタム車の場合、純正部品が残っていないと故障時に対応できず、結局高額な社外パーツを購入せざるを得なくなります。
TTをカスタマイズするのは自由ですが、公認パーツを使用し、かつ純正部品の保管も怠らないようにすることが賢明と言えます。
無闇な改造は避け、車検などの法規にも抵触しないよう気をつけたいものです。
少し割高でも、メーカー純正のオプションパーツで personalityを追求する方が無難かもしれません。
長く乗るならこまめなメンテナンスと消耗品交換が重要
アウディTTのような高性能スポーツカーを、長く大切に乗り続けるためには、こまめなメンテナンスが欠かせません。
特に、オイル交換やブレーキパッド、エアフィルターなどの消耗品の交換は、定期的に行う必要があります。
エンジンオイルは5,000〜7,500km毎、もしくは1年毎の交換が理想的。
ロングライフエンジンオイルを使用すれば、交換サイクルを延ばすこともできますが、あまり伸ばしすぎるのは禁物です。
また、ブレーキオイルについても2年毎の交換が望ましいとされています。
ブレーキパッドやブレーキディスクも、減りや歪みをこまめにチェックしましょう。
パッドの残量が少なくなれば、早めの交換を。ディスクに大きな傷や歪みが見られれば、そちらも交換が必要です。
パワフルなTTのブレーキは、その分消耗も早いので注意が必要です。
また、エアフィルターやエアコンフィルター、ワイパーゴムなども定期的な交換が欠かせません。
少しでも汚れや劣化が見られれば、迷わず新品に交換するのがベストです。
そのほか、タイヤについても点検を怠らないようにしましょう。
TTの純正装着タイヤサイズは225/50R17が主流。溝の減り具合をこまめに確認し、早めの交換を心がけることが大切です。また、
また、スポーツ走行を楽しむ機会が多ければ、ハイグリップタイヤへの交換も検討したいところです。
アウディ純正でも、ハイグリップタイプのタイヤが用意されているので、目的に応じて最適なタイヤチョイスを。
TTのようなスポーツカーは、プロのメカニックによる定期点検も欠かせません。
1年または1万km毎にディーラーで点検を受けるのが理想的。専門家の目で、普段見落としがちな部分もチェックしてもらえるはずです。
ただ、維持費の観点から、毎回ディーラー点検を受けるのは難しいという人も多いでしょう。
そんな時は、信頼できる街のガレージに相談するのもひとつの手。TTを熟知したメカニックなら、適切なアドバイスをくれるはずです。
いずれにせよ、TTのコンディションを最良に保つためには、こまめなメンテナンスと必要な箇所の交換が不可欠。
「乗った分だけメンテする」というのが、TTオーナーに求められる心構えと言えそうです。
初期費用だけでなく、ランニングコストもしっかり考慮に入れておく必要がありますね。
アウディTTがなぜ安いのか?評判や口コミから徹底調査
ここからは、実際のオーナーの声を集めて、アウディTTの評判を探っていきたいと思います。
TTに乗っている人や乗っていた人の生の声は、購入検討時の大きな参考になるはず。良い口コミだけでなく、悪い評判にも耳を傾けることが大切ですね。
TTを買って後悔する人の特徴とは
まず気になるのが、TTを購入して後悔したという人の特徴です。
どんな理由で後悔しているのか、詳しく見ていきましょう。
一番多いのが、維持費の高さを理由に後悔しているケース。
確かにTTは、国産スポーツカーに比べると、消耗品の交換費用も修理費用も割高になりがち。
毎回の車検代も数十万円が当たり前です。維持費を甘く見積もっていたが為に、買ってから後悔しているオーナーは少なくありません。
また、純正オプションを余りつけずに購入し、物足りなさを感じて後悔しているパターンも。
TTの魅力を最大限に引き出すなら、ある程度のオプション装備は必須と言えます。
マトリクスLEDヘッドライトやバーチャルコックピット、BoseサウンドシステムB&O(バングアンドオルフセン)サウンドシステムなど、快適性や利便性を高める装備は、できる限りつけておきたいところ。
さらに、シート位置が低く、乗り降りがしづらいと感じて後悔しているケースも見受けられます。
特に、身長の高い人や足腰の弱い人は、乗り降りに苦労するかもしれません。購入前の試乗で、シートポジションの確認を怠らないようにしましょう。
そのほか、街乗りで小回りの効かなさを実感して後悔しているオーナーもいるようです。
全長4.2m以上、全幅1.8m以上あるTTは、細い路地での取り回しが難しいのも事実。この点は、住む地域の道路事情とも関連してきそうです。
TTのダサいと言われるポイントを解説
先にも触れたように、TTのデザインを「ダサい」と感じる人がいるのも事実です。
では、具体的にどんな点がダサいと言われているのでしょうか?
まず、ヘッドライトのデザインを挙げる人が多いようです。
特徴的な多角形のLEDライトが、「目つきが悪く見える」とか「昆虫っぽい」といった印象を与えているのかもしれません。
ただ、これに関してはタマゴ型をベースにしたTTのフォルムと、うまくマッチしているという意見もあります。
また、リアのデザイン、特にテールランプの形状も賛否が分かれるポイント。
先代モデルまでの丸みを帯びたデザインから一新され、鋭角的でアグレッシブな印象になりました。
これが「昔のTTらしさが失われた」「威圧感が強すぎる」といった声に繋がっているのでしょう。
さらに、全体的に丸みを帯びたフォルムも、「美しい」という意見がある一方で、「大人しすぎる」「他のアウディ車と似すぎ」といった捉え方をされることも。
パッと見で存在感を放つデザインではないため、物足りなさを感じる人がいるのは確かです。
加えて、マフラーの形状もダサいポイントとして挙げられることがあります。
左右に配置されたデュアルエキゾーストが、「主張が強すぎる」と捉えられる向きもあるようです。排気効率を高める機能的な意味合いが強いだけに、賛否が分かれるのかもしれません。
とは言え、こうしたデザイン面の好みは十人十色。
「ダサい」と感じるか「美しい」と感じるかは、人それぞれと言えます。自分の感性に正直に向き合い、実車を見て判断するのが一番だと思います。
TTに実際に乗ってる人の満足度は高い
ここで、TTに実際に乗っているオーナーの満足度を見てみましょう。
否定的な意見も見受けられた中で、総合的にどんな評価を得ているのでしょうか。
結論から言えば、TTに乗るオーナーの満足度はかなり高いと言えそうです。
その理由のトップに挙げられているのが、走行性能の高さ。
2Lターボとクワトロ4WDの組み合わせによる、卓越した加速力とコーナリング安定性が、多くのオーナーを虜にしています。
また、硬めに調整されたサスペンションとステアリングフィールも高評価。
ワインディングを思い切り攻めたい、まさにドライバーズカーとしての資質を備えていると言えそうです。
そして、デザインや質感への満足度も総じて高い模様。
先述の通り賛否はあるものの、TTならではの個性的なスタイリングを気に入っている人が多数派のよう。
上質な内装材や贅沢な装備類も、満足度を後押ししているポイントです。
加えて、燃費の良さを挙げるオーナーも少なくありません。
パワフルなエンジン性能の割に、10km/Lを超える燃費を実現。
スポーツカーとは思えない経済性も、高い支持を集める理由と言えます。
さらに、意外と使い勝手が良いという声も。後部座席を倒せば、ゴルフバッグやスーツケースを楽々積載可能。
この実用性の高さが、TTを「セカンドカー」ではなく「メインカー」として選ぶ決め手になっているようです。
もちろん、不満点がないわけではありません。シートの座面が固い、エアコンの効きが弱い、ロードノイズが大きいなど、細かな質感面での不満は散見されます。
しかし、総合的に見れば、そうしたマイナス点を補って余りある魅力をTTは持っていると言えるでしょう。
新車価格と中古相場を比較
TTの新車価格と中古相場について、具体的に見ていきましょう。
まず、新車での価格帯ですが、グレードにもよりますが概ね500万円台から700万円台が中心。
ベーシックグレードのTT 2.0 TFSIクーペで518万円、上級グレードのTT 2.0 TFSIクワトロで649万円といったところです。
その一方で、TTの中古車相場はどうでしょうか。
2015年式の2代目TTクーペ(2.0 TFSI)の相場は、200万円台半ばから300万円台半ばが中心。
一方、2008年式の初代TTクーペ(2.0 TFSIクワトロ)なら、100万円前後で購入できることも。新車価格と比べると、かなりリーズナブルな価格設定だと言えます。
こうした中古相場の安さの理由については、先述した通りです。
TTの国内販売台数自体が少ないことに加え、スポーツカーという車種の特性上、長期的な需要が見込みづらいのが実情。
結果的に、新車から中古車に転じた際の価格下落率が大きくなっているのです。
とは言え、TTのようなスポーツカーの価値は、単に走行性能だけで測れるものではありません。
10年落ち、20年落ちの中古車であっても、TTならではのドライビングフィールを味わえるのは間違いない。
新車で買うには予算的にしんどいという人にとって、中古車という選択肢の存在は大きいはずです。
ただ、注意しておきたいのが、年式の古い中古車ほど、修理歴や事故歴のリスクは高まるということ。
TTは骨格がアルミ製のため、修復歴があると剛性面で不安が残ります。購入時は必ず、修復歴の有無を確認する必要があります。
また、初期型ほどトラブルが発生するリスクもあります。
初代TTの一部グレードに見られたエンジンマウント不良など、モデル固有の不具合情報はおさえておくべきでしょう。
可能な限り新しい年式の車両を選ぶのが賢明だと言えます。
TTクーペの主な欠点や弱点
ここまでTTの魅力について語ってきましたが、欠点や弱点も知っておく必要がありますね。
購入前のマイナスイメージを払拭する意味でも、TTの主なデメリットを整理しておきましょう。
まず、購入後のランニングコストの高さは免れません。
ガソリン代は当然として、保険料や車検費用、メンテナンス費用など、外車ゆえの出費の大きさは覚悟しておく必要があります。
また、TTのようなスポーツカーゆえの乗り心地の固さも弱点の一つ。
長距離ドライブで疲れを感じやすいのは事実です。腰痛持ちの人は、シートの固さにも我慢が必要かもしれません。
他にも、スポーツカー特有の視界の狭さやブラインドスポットの多さなど、日常使いでのストレスは感じやすいでしょう。
狭い道での取り回しの悪さや、縦列駐車の難しさなども弱点と言えます。
加えて、高級スポーツカーならではの盗難リスクの高さも看過できません。
TTは盗難防止装置が標準装備されていますが、狙われやすい車種であることに変わりはありません。
駐車場所の選定など、防犯面でも一工夫が必要です。
そして、ディーラー以外でのメンテナンスの困難さも弱点の一つ。
TTのような輸入車は、一般整備工場での対応が難しいケースが多いのです。
その分、ディーラーに出す機会が増え、費用負担も大きくなりがちです。
こうしたデメリットを十分理解した上で、TTの購入を検討する必要がありそうです。
スポーツカーならではの乗り味を楽しむためには、ある程度の覚悟が必要だと肝に銘じておきましょう。
TTクーペの寿命はどのくらいなのか
スポーツカーの寿命は短い、というイメージがあるかもしれません。
確かに、高回転型のエンジンを搭載する車種の中には、10万km未満でオーバーホールが必要になるケースも。
しかし、アウディTTに関して言えば、そこまで寿命は短くありません。適切なメンテナンスを継続できれば、15万km以上の走行も可能と言われています。
その理由の一つが、TTに搭載される2Lターボエンジンの耐久性の高さ。
レッドゾーンで回しっぱなしにしない限り、意外とタフに走ってくれるのです。
また、定期的にオイル交換を行えば、エンジンの寿命はさらに伸ばせます。
もう一つの理由が、TTのボディの強靭さ。
アルミをふんだんに使用したボディは、同クラスの車と比べても剛性が高いのが特徴。
多少の歪みなら、そう簡単にはへこたれません。事故さえ起こさなければ、10年、20年とボディを維持できるでしょう。
ただし、長寿命と言っても、当然ながら手入れは必要不可欠。
定期的なメンテナンスはもちろん、ガレージ保管や洗車など、美観を保つ努力も欠かせません。
また、電装系の寿命がボディより短いのも事実。
ナビゲーションやオーディオ、計器類などは、10年もすれば更新が必要になるかもしれません。そうした部分も含め、トータルでTTと付き合っていく覚悟が求められます。
とは言え、大切に扱えば、TTは20年以上のロングスパンで活躍してくれるはずです。
「高級スポーツカーだから壊れやすい」というイメージは捨てて、自分なりのメンテナンス方法を確立していきたいものですね。
中古のTTを購入する際の注意点
最後に、中古のTTを購入する際の注意点をまとめておきましょう。
再三述べてきたように、TTは比較的中古相場の安さが魅力。
しかし、安いからと言って何でもいいわけではありません。
まず重要なのが、購入店の選定です。TTのような輸入車の場合、国産車よりも購入店のサポート体制が重要になってきます。
修理やアフターメンテナンスもしっかり対応してくれる店舗を選ぶのがベストです。
次に、車両の整備状態の確認も欠かせません。
特に、10年落ち以上の車両は入念にチェックする必要があります。
外装の傷やへこみ、内装の劣化はもちろん、エンジンルームの汚れ具合もしっかり確かめましょう。
整備手帳の有無も重要なポイントです。
また、TTに多いトラブルとして、Sトロニックミッションの不具合も要チェック。
試乗の際、信号待ちの発進でもたつきを感じたら、ミッションオイルの劣化が考えられます。
その場合は、ミッション関連のトラブルを覚悟する必要があるかもしれません。
さらに、オプション装備の有無もポイントになります。TTの場合、マトリクスLEDヘッドライトやバーチャルコックピットなど、便利装備は多岐にわたります。
そうしたオプションのついた中古車は、少し割高になっても選ぶ価値はあると言えるでしょう。
最後に、HV車の取り扱い経験の有無も重要です。
TTにはマイルドHVのグレードがラインアップされており、その場合は専門的な扱いが必要不可欠。
取り扱い経験のないショップでは、避けた方が無難かもしれません。
こうした点に注意しつつ、じっくりTT選びに臨むことが大切。
相場の安さに目が眩んで、性急に購入を決めるのは禁物ですよ。
あくまで、長く付き合える相棒を選ぶつもりで、吟味に吟味を重ねるのが賢明だと思います。
まとめ:アウディTTの中古車価格が安い理由と購入時の注意点について
- アウディTTの中古車が安い理由は、絶対数の少なさと古い年式のモデルが多いから
- TTは同じドイツ車と比べると故障は少ない方だが、経年劣化は避けられない
- エアコン、オルタネーター、ラジエーターのトラブルは走行距離に比例して起こりやすい
- TTの燃費は同クラスの外車と比べると良好で、スポーツカーとしては経済的
- 2+2レイアウトの後席は狭いが、シートを倒せば広い荷室が使える
- 丸みを帯びたTTのデザインは賛否両論あるが、時代に左右されない美しさがある
- セミオートマのSトロニックは高性能だが、乗り方によっては故障のリスクもある
- TTのカスタム車は、車検対応や純正部品の保管状況をよく確認する必要がある
- TTを長く乗るためには、こまめなメンテナンスと消耗品の交換が欠かせない
- TTオーナーの満足度は総じて高く、走行性能やデザイン、燃費の良さが支持されている
- TTの新車価格は500~700万円台だが、中古車なら半額以下で購入できる
- 中古TTの購入時は、修復歴の有無とメンテナンス状況をしっかりチェックすべき