ポルシェはその卓越した走行性能と高級感で世界中に知られています。しかし、中古車市場では予想外の安値で取引されることがあります。
本記事では、ポルシェの中古車がなぜ安く売られているのか、そのリスクや考慮すべきポイントを詳しく解説します。
予算オーバーのリスクや事故歴の有無など、賢いポルシェ中古車の選び方についても説明します。
この記事を通じて、ポルシェの中古車購入を検討している方々に役立つ情報を提供します。
- ポルシェの中古車は一般的に安くなく、値崩れが少ない。
- 安いポルシェ中古車の存在には、年式の古さや走行距離の多さなどの理由がある。
- ポルシェの中古車購入時には、車の状態やメンテナンス歴を重視する必要がある。
- ポルシェ中古車の価格が安い場合、それなりのリスクやデメリットが存在する。
ポルシェ中古が安い理由:リスクと検討ポイント
ポルシェは世界有数のスポーツカーブランドとして知られています。
代表車種である911をはじめ、ボクスターやケイマン、SUVのカイエンなど、高級感溢れるラインナップを揃えています。
- やめたほうがいい?故障や事故歴で予算オーバーのリスク
- 中古車市場購入順位トップは911
- ポルシェケイマンが安い理由は911のパーツの流用
- 100万円台の911中古は大丈夫なのか?安全性は?
- 年式と走行距離で値崩れ幅が異なる
- ポルシェボクスター乗っている人は貧乏?
- カイエンは維持できない?維持費が不安!
- ポルシェSUVの一番安い車種はマカン
- ポルシェの新車で安いことはあるのか?
やめたほうがいい?故障や事故歴で予算オーバーのリスク
中古市場にて異常なほど安価なポルシェが売り出されている場合、その背景に事故歴や水没歴が潜んでいる可能性が高くなります。
したがって、値引きアピールに惑わされることなく、事故や水没の有無について保証の得られる信頼性の高い個体を選ぶことが肝要です。
予算オーバーにもつながりかねないリスクがあるため、十分な確認作業が欠かせません。
中古車市場購入順位トップは911
順位 | 車名 | シェア |
---|---|---|
1位 | 911 | 25% |
2位 | 718(ボクスター/ケイマン) | 15% |
3位 | マカン | 10% |
4位 | カイエン | 10% |
ポルシェ中古車市場で圧倒的な存在感を放つのが911です。
ミッドシップによる俊敏なハンドリングが高く評価されています。
値ごろ感も手伝って、スポーツカー志向の層を中心に根強い支持があるロングセラー車種といえます。
一方でSUVのマカンとカイエンは合わせて20%程度と、911と718には及ばないものの、新車購入困難な層からの支持があります。
特にマカンは手頃感と日常実用性が評価されています。
ポルシェケイマンが安い理由は911のパーツの流用
ポルシェの中でもケイマンは開発コストの関係から比較的安価な設定となっています。
その結果、中古市場でも他車種と比べると安価な取引価格で推移しているといえます。
項目 | 詳細 |
---|---|
発売年 | 2016年 |
サイズ(長×幅×高) | 4,491×1,801×1,296mm |
ホイールベース | 2,475mm |
室内長×幅×高 | 1,258×1,428×1,016mm |
乗車定員 | 2名 |
車両重量 | 1,420kg |
エンジン | 水平対向4気筒 |
排気量 | 1,988cc |
最高出力 | 300ps/6,500rpm |
最大トルク | 38.2kgm/1,950-4,500rpm |
変速機 | 6速MT/7速PDK |
燃料タンク容量 | 54L |
100万円台の911中古は大丈夫なのか?安全性は?
ポルシェと言えば高級車の代名詞的存在である911。
1997年に発売され20年以上経過したことから年式的に安くなっています。
またAT車のほうが安い傾向もある他、走行距離が長めの物件が主です。
こうした理由で100万円台になっているものの、高級車ゆえ維持費は割高なことに変わりなく、メンテナンス次第で走り続けることは可能です。
項目 | 詳細 |
---|---|
発売年 | 2021年(992型) |
サイズ(長×幅×高) | 4,519×1,852×1,300mm |
ホイールベース | 2,450mm |
室内長×幅×高 | 1,380×1,400×1,120mm |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 1,505kg |
エンジン | 水平対向6気筒 |
排気量 | 2,981cc |
最高出力 | 353ps/6,500rpm |
最大トルク | 45.9kgm/1,950-5,000rpm |
変速機 | 8速デュアルクラッチ |
燃料タンク容量 | 64L |
年式と走行距離で値崩れ幅が異なる
ポルシェ中古の価格変動に最も影響するのが年式と走行距離です。
年式と距離の組み合わせ次第では値崩れの幅が大きく異なります。
よって中古購入時に想定する使用期間で必要な年式を決め、できるだけ走行距離が短いうちに購入することがエコノミー的。プレミアム感を保ちつつトータルのコスト負担も抑えられます。年式と距離のバランス考慮がポイントです。
ポルシェボクスター乗っている人は貧乏?
ボクスターはポルシェのエントリーモデルであるがゆえに、「貧乏なんで乗ってるんでしょ」と揶揄されがちです。
さらにサーキット走行に耐えうる高負荷補強ボディは、本革を余すところなく体感できる運動性能至上主義こそがポルシェの原点であることを物語っています。
むしろ年々高級化していく911シリーズと比べ、より純粋にスポーティー志向を貫くボクスターこそ、ポルシェブランド発祥の精神を最も色濃く受け継いでいる、と評価する声すらあるのです。
安い理由
ポルシェでありながらボクスターは他車種と比較すると割安な設定となっています。
その価格帯こそ高級車の域を出ませんが、フラッグシップである911と比べると抑えめな市場投入価格を実現しています。
このポジショニングが中古市場においても値ごろ感を演出している要因といえるでしょう。
ポルシェボクスターのスペック表
下記はポルシェボクスターのスペック表です。
項目 | 詳細 |
---|---|
発売年 | 2016年(981c型) |
サイズ(長×幅×高) | 4,379×1,801×1,271mm |
ホイールベース | 2,475mm |
室内長×幅×高 | 1,258×1,428×1,016mm |
乗車定員 | 2名 |
車両重量 | 1,235kg |
エンジン | 水平対向4気筒 |
排気量 | 1,988cc |
最高出力 | 275ps/7,400rpm |
最大トルク | 38.2kgm/1,950-4,500rpm |
変速機 | 6速MT/7速PDK |
燃料タンク容量 | 54L |
カイエンは維持できない?維持費が不安!
ポルシェのSUVであるカイエンですが、維持費に不安を感じる人も多いはず。維持できないのではと危惧する声もあるほどです。
また燃費は1リットルあたり5~6kmほどなので、給油時に1万円程度の支出となるでしょう。さらに定期交換部品の費用が発生しますが、適切なメンテナンスを行えば1年50万円程度で走行可能です。
ポルシェカイエンのスペック表
項目 | 詳細 |
---|---|
発売年 | 2002年(初代型) |
サイズ(長×幅×高) | 4,756×1,928×1,658mm |
ホイールベース | 2,895mm |
室内長×幅×高 | 1,951×1,538×1,179mm |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 2,350kg |
エンジン | V型8気筒 |
排気量 | 4,806cc |
最高出力 | 340ps/6,600rpm |
最大トルク | 45.9kgm/3,500rpm |
変速機 | ティプトロニックS(5速AT) |
燃料タンク容量 | 85L |
ポルシェSUVの一番安い車種はマカン
ポルシェが現在販売している車種ではSUVのマカンが最も低価格帯となっています。
中古市場でも最も安くポルシェに触れられるクルマであるマカン。手頃な存在感が若者を中心に支持されている大きな理由だと考えられます。
ポルシェの新車で安いことはあるのか?
ポルシェは高級スポーツカーブランドとして知られ、新車価格も1000万円を超えるモデルがほとんどです。
しかしながら、例外的に比較的安価な設定となっている車種が実際に存在しています。
マカンが安価な理由は、車両サイズがコンパクトであることと、搭載されるエンジンの小排気量化が影響しています。
トランスミッションには7速PDKを採用するなど、性能面での高級感は十分に確保しつつ、価格面では抑えめな市場投入を実現させています。
ただし791万円からといっても国産車の視点で見れば高額ですし、ポルシェとしての品質や性能を備えている分、実際の購入に対応できる富裕層に限られてきます。
ポルシェマカンのスペック表
下記がポルシェマカンのスペック表です。
項目 | 詳細 |
---|---|
発売年 | 2014年 |
サイズ(長×幅×高) | 全長4680mm × 全幅1925mm × 全高1625mm |
ホイールベース | 2,475mm |
エンジン | 直列4気筒DOHC |
総排気量 | 1,988cc |
最高出力 | 252ps / 5,000-6,500rpm |
最大トルク | 34.9kgm / 1,750-5,000rpm |
トランスミッション | 7速デュアルクラッチ |
ポルシェの中古が安いのには理由がある
スポーツカーとしての魅力だけではなく、高級車としてのプレミアム性という点でもポルシェは人気のメーカーです。
しかし同時に「激安」と感じる物件には要注意という側面も併せ持っています。
安すぎるポルシェ中古車選びで注意が必要なのが、事故歴と水没歴の有無。
この確認を怠るとトラブルのもとにもなりかねないので重要なポイントと言えます。
- 一般的には安くない?なぜ値崩れしにくい?
- 水没車や事故車の疑いでメンテコストが予想外の事態に
- 選ぶ際は走行距離10万kmまでが無難:故障リスク低い
- 過去の使用状況が不明な点不安材料に 当初の想定以上にコスト発生も
- ポルシェの安い順は?ランキング形式で
- ポルシェ中古で超安値品にも注意、修理費用が想定超えで高コストに
- ディーラー認定中古車を選びたい、品質とアフターフォローで安心
一般的には安くない?なぜ値崩れしにくい?
ポルシェの中古車市場は、その他の高級輸入車と比較して、顕著な特徴を持ちます。
具体的な数字を見てみると、新車購入から3年後のリセールバリューでは、一般的な国産車が約60%、輸入車が50%程度の価値を保つのに対して、ポルシェは特に人気の高いモデル、例えば911などでは70%に達することもあります。
これは、ポルシェの持つ圧倒的なブランド価値と、製品としての品質の高さ、限定されたラインナップによる希少性が原因と考えられます。
実際の中古車市場を見てみると、911カレラなどのスポーツカーモデルやカイエンのSUV、パナメーラのスポーツサルーンなどは、新車価格に比べて中古車価格がそれほど大きく下がらない傾向があります。
例えば、911カレラは新車価格12,440,000円に対し、中古市場では7,200,000円から14,780,000円で取引されているケースがあり、中古車市場における価格の幅が大きいことが特徴的です。
しかし、ポルシェの中古車が全体的に安くならない理由には、年式が古くなったり走行距離が多くなることで価格が下がるという、一般的な中古車市場の法則が適用される点も重要です。
特にSUV系の車種は年式の古さや走行距離の多さにより値崩れが大きくなり、カイエンのようなモデルでは新車価格の30%程度まで価格が下がることもあります。
また、ポルシェの中古車市場においては、事故車や水没車など、問題のある車両が安価で出回ることもあります。
これらの車両は、外見上は問題が見えにくいものの、将来的には様々なトラブルを引き起こす可能性が高く、購入時には注意が必要です。
水没車や事故車の疑いでメンテコストが予想外の事態に
大クラッシュを経験した車両で外観上大きな問題が見当たらない場合、一見健在に見えても実際にはフレームやボディ接合部に微細なひび割れが生じており、エンジンにも衝撃が伝わる等内部破損が進行していることがあります。
同様に水没の影響で各種機器や電装系統に不具合が生じていたとしても、表面上それと分からないことも。
よって可能な限り事故歴や水没歴のない信頼ある個体を選定する必要があります。値引率に惑わされず状態を確認することが肝要です。
外観では判断しづらいケースも
中古ポルシェを購入する際に事故歴・水没歴がないか確認することは極めて重要です。
外観からは判断しづらい場合が多く、手を出した後から思わぬトラブルに見舞われるケースが後を絶たないからです。
事故歴に関しては自動車ディーラーを通じて専門業者が提供する車歴レポートを取得することが確実な確認法です。
過去のクレーム履歴や修理歴が網羅的にチェックされるため判定の精度も高くなります。
一方で水没歴の判定は車体下部や内装のサビ・腐食状況から判断する必要があります。
床下等目視が困難な箇所も多いため、精密検査を受けることが理想的です。たとえ車内が綺麗でも判断材料とはなりません。
選ぶ際は走行距離10万kmまでが無難:故障リスク低い
中古車選びの大切な目安が走行距離です。
10万kmを超えるとオイルや各種部品の消耗が目立ってくるほか、さまざまな摺動部の磨耗も進行しています。
定期交換の対象となる部品も多く、結果的にメンテナンスコストが膨らみやすくなるため、なるべく走行距離が短いうちに購入したいですね。
過去の使用状況が不明な点不安材料に
中古車を購入する際、過去の使用状況が不明確な場合、想定外のトラブルが発生する可能性が高まります。ポルシェの中古車でも点検整備の頻度や過去の運転内容をしっかり確認し、リスクの低減を図る必要があります。
場合によっては初年度だけで100万円を超える出費が発生することもあるでしょう。
したがって中古ポルシェ購入時には、ディーラーや専門店に点検整備記録の提示を求める等、過去の使用実績をある程度把握できるよう努めることが重要です。不明点が多ければ敬遠した方が無難でしょう。
ポルシェの安い順は?ランキング形式で
ポルシェには数多くの車種がラインナップされていますが、新車価格の安い順で並べてみると次のようになります。
- 1位:マカン(2019年モデル) 新車価格799万円~
- 2位:ボクスター(2020年モデル) 新車価格890万円~
- 3位:ケイマン(2021年モデル) 新車価格990万円~
- 4位:911(2022年モデル) 新車価格1210万円~
一番安いのがコンパクトSUVのマカンで、800万円を切るベースモデルが選べます。
続いて2人乗りスポーツのボクスターとケイマンが900万円台後半でランクイン。
そしてポルシェを代表するスポーツカー911が1200万円からとなっています。
いずれにせよ自動車としての機能面で言えば、ラインナップのどの車種を選んでも十二分に能力と品質の高さが担保されているのがポルシェの一番の魅力なのかもしれません。
超安値品にも注意、修理費用が想定超えで高コストに
中古車市場では“超安値”と魅力的に謳われるポルシェ中古車をよく目にしますが、この種の格安品には一定の注意が必要です。車状や修理実績が良好な個体であれば買い得ですが、逆に問題を抱えているケースも少なからず存在するからです。
特に高級車であるポルシェの部品はひとつあたりの単価が高いため、総額は予想外のスケールに到達することがありえます。
コスト面で訴求力はあるものの、安直に値引率だけに引かれることがないよう注意が必要です。
ディーラー認定中古車を選ぶべき?
中古ポルシェを購入する際は、信頼のおける購入先を選ぶことが大切です。
その意味でポルシェ正規ディーラーの認定中古車がオススメであり、次点として国内外の名門ディーラーからのものが良好な選択肢といえます。
さらに購入後のアフターサービス体制も万全で、定期メンテナンスのほか不具合が生じた場合にも迅速かつ適切な対応をしてくれるでしょう。
よって特に初めて中古ポルシェを購入する場合は、安全性と信頼性を重視し、ディーラー認定中古から選定することを強くおすすめします。
多少高くついても長期所有に耐えうる賢い選択といえます。
まとめ:ポルシェ中古車が安い理由とは?
- ポルシェの中古車は、新車価格が高いため、中古市場でも比較的高価である。
- ポルシェの中古車は、品質と人気により値崩れしにくい。
- 安いポルシェ中古車には、事故歴や水没歴のリスクがある。
- 事故歴や水没歴がない中古車を選ぶことが重要。
- ポルシェ中古車の購入は、リスクを理解し慎重に選択することが重要。
- 走行距離が10万km以下の車を選ぶことが一つの目安。
- 修復歴がない中古車を選ぶことが重要。
- 信頼できる中古車販売店での購入が推奨される。
- ポルシェの中古車を購入する際は、その後の維持費も考慮する必要がある。
- ポルシェ中古車の選択には、事故歴や水没歴の有無を確認することが最重要。
- 過去の使用状況が不明な中古車は、リスクが高い。
- ポルシェ正規ディーラーの認定中古車を選ぶことで、品質と安心を得られる。